労働基準法によって備え付けることが義務付けられている。記載内容は氏名のほかに、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外労働時間数と、そして基本給その他の各手当、および各控除額などである。これらの内容が網羅されていれば、スタイルは特に問わない。一般には1人の1年問分か1枚に記載できる個人別と、1枚を1ヵ月ごととして複数の者を記載できる連記式とが普及している。現代はこれらもコンピュータで、賃金計算とともに打ち出す方式がほとんどだ。支払いの五原則賃金給与は社員の生活の糧であるため、その支払いについても労基法において5つの原則を定めている。
(1)通貨払いの原則
賃金は通貨つまり現なで支払わなければならない。したがって本来は銀行振込も不可であるが、それでは時代の流れにそぐわないので、1988年から認められるようになった。ただし日本人の同意と本人名義の口座であることという条件が付いている。
(2)置接払いの原則
賃金は直接本人に支払わなければならない。ここでよく問題になるのが代理人にならどうかということだが、法ではそれを禁止し、使者にならよいとしている。では使者と代理人とはどう違うのかだが、使者とは妻や子のように本人の支配または管理下にある者をいい、代理人とはそのような関係にはない独立人をいう。
(3)全額払いの原則
法で定められた税金や社会保険料以外は控除してはならない。ただし、労使協定により控除可としたものはよい。一般にも例えば組合費や食事代、会社製品の購入費などは協定を結んで控除対象としている例か多い。よく問題になるのは、会社への借金や背任行為による損害賠償金などの相殺であるが、原則としてそれは不可である。労働者側かまったくの自由な意思によって同意した場合は可とする判例もあるが、後でトラブルになるケースが多いので、なるべく全額支払った後に本人の意思で返済させるのが望ましい。
(4)毎月払いの原則
賃金は、毎月1回以上支払わなければならない。この原則があるため、年体制にしても結局は「年俸型の月給制」にならざるを得ない。なお、賞与や臨時の賃金にはこの原則は当てはまらない。
(5)一定期日払いの原則
賃金は毎月一定の期日に支払わなければならない。ただし当月内であれば支払うことや、2回に分割して支払うことは可能である。ノーワークーノーベイの原則。賃金支払いの大原則であって、ノーワークつまり仕事をしない日なり時間なりに対しては、ノーペイつまり賃金も発生しないということである。ノーワークの状態とは欠勤や遅刻・早退、あるいは産前産後休暇や慶弔休暇、休職、争議行為での不就業などが挙げられる。これらのときにはたとえ通常の月給制社員であっても、カットしてよい。もちろん何々の場合は賃金カットをしない、と就業規則等に定めてあれば別であるが。ただし、月給制ではこのような場合でも賃金カットができないので、あえて日給月給制にしているという会社などはけっこう多い。
たしかに、月給制にしたら欠勤などでも賃金カットはしないほうが望ましいと説く学者や専門家も多い。だがその結果、月給制にせずに日給月給制にしている会社が多いとしたら、いったいどちらが労働者のためを考えた議論になるのだろう。労働者のためを考えて発言しているつもりが逆効果、本末転倒になっていることを知るべきである。なお付記すれば、使用者の責に帰すべき理由によっての休みの場合には、その者の平均賃金の60%以上を支払わなければならないと規定されているので注意。余談ですが、近頃勤怠管理システムが会社の間で話題になっています。
[参考情報]
勤怠管理システム・就業管理の「リシテア」
http://lysithea.jp/