申立権者は、代金を納付した買受人である(民事執行法2条1項)。買受人が買受不動産を第三者に譲渡し、その旨の所有権移転登記が経由されても、買受人は引渡命令の中立権を有するものと解されている。買受人の一般承継人も申立権を有するが、買受人から第三者が所有権を譲り受けても、買受人の地位は承継しないから、その第三者には引渡命令の申立権はない。引渡命令の申立ては、代金を納付した日から6ヵ月以内にしなければならない(民事執行法83条2項)。
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引渡命令が発令され、確定した場合は、引渡命令は.民事執行法22条3号の債務名義となるので、買受人は執行文の付与を受けたうえで、執行官に不動産引渡執行の申立てをすることになる(同法168条)。売却代金の分配方法としては、(1)配当表に基づいて配当を実施する方法(民事執行法84条1項)と、(2)売却代金の交付計算書を作成して、弁済金を交付する方法(同法84条2項)がある。後者の弁済金を交付する方法とは、配当の実施の例外として定められているもので、債権者が1人である場合、または債権者が2人以上であって売却代金で各債権者の債権および執行費用の全部を弁済することができる場合に行なわれるものである。つまり、そのような場合には債権者間に分配金額をめぐる争いは生じないから、配当表に基づく配当は必要なく、執行裁判所は、売却代金の交付計算書を作成して債権者に弁済金を交付すれば足りる。そして、剰余金があればこれを所有者に交付するのである(民事執行法84条2項)。